愛と哀しみのボレロ

(映画版 3時間4分)

愛と哀しみのボレロ テレビ放送版
エピソード1(50分24秒)
( 全5エピソード 4時間20分)

映画版にないシーン

 冒頭のボレロを踊り始めるところから、パリに進駐したドイツ軍の軍楽隊長になったカール・クレーマーが見学に来たエブリーヌにメモを軍服に突っ込まれるシーンまではテレビ版も同じである。
この間、24分58秒

【25分56秒】

この間 1分39秒

 パリに進駐したドイツ軍の行進を見ているシモンとアンヌ。
 高台からパリを望遠鏡で見るドイツ軍兵士。
 ノートルダム寺院の横のセーヌ川の河岸でボクシングの練習をしている親子。
 子供は後にプロボクサーになるフィリップ、これ以後の登場シーンはマルセイユからの列車の中になる。アルジェ戦友の5人の中では、一番の年長者と示される。
 ドイツ軍楽隊のカールがドイツ兵士とルーブルのサモトラケのニケを見学している。
 ここからカールの妻マグダへの手紙が朗読される。
 カメラは彫像を追って上へ、そして右へ下がると、マグダと私服のカールがいる。カールは新婚旅行かでパリを訪れたときのイメージであろう。


ドイツでカールの手紙を読むマグダ


【26分08秒】

この間 44秒

 楽団の指揮者の住まいへ行くシモンとアンヌ。
 そこにかぶるレジスタンス運動のナレーション。
“さし当たりできる事をすればよい 積極的方法でも消極的方法でも構わない 敵を倒すことが目的である 甘い顔を見せれば彼らは居座るであろう 国中が略奪され骨抜きにされてしまう フランスが自らの意志で屈服したり―― ヒトラーやムッソリーニの横暴を―― 甘受してはならない それは国を売ることである”


エブリーヌの店
新年の祝い
この間 1分39秒


【28分50秒】

この間 47秒

 エプリーヌの店の主人の子供誕生の知らせを電話で受ける。(この主人はシモンとアンヌが働いている劇場の支配人でもある)
 主人の電話の会話、
「3キロ半? 男の子か? ありがとう うれしいよ うん おめでとう」
「息子ができたぞ!」
(後に医師になるアルジェ戦友の一人、フランシスが生まれたのだ)
 主人は店の女に息子の誕生をふれて回る。エブリーヌとカールはダンスを踊っている。
フランシスのナレーション:
“僕は1941年の数分前に生まれた この物語のナレーター 大晦日の23時55分だった 元旦に生まれる幸運を5分の差で逸したが――他人に比べれば運のいい方だ 盛大にシャンパンが抜かれた 父は金持ちで――戦争など初めはどこ吹く風だった あとで対敵協力者と呼ばれるようになる”
 カールはエブリーヌに財布に入っている家族の写真を見せている。

 エブリーヌ、カールのピアノを聴いている。
 シモンとアンヌと楽団の仲間がラジオから流れるカールのピアノを聴いている。
この間 1分26秒

【30分17秒】
フランシスのナレーション続き:
“僕はまだ小さかったが――そのためか親父に似たくないと思うようになった”

この間 44秒

 モンマルトルのサクレクール寺院前の階段で踊る楽団員、ドイツ兵士が撮影している。それを見ているシモンとアンヌ。シモンが、「いいけど 何だ これは?」
「ニュース映画 ドイツのよ」

ソ連のボリスの出征
パリ、変わった馬車がくる
この間 1分14 秒

【31 分31 秒】

この間 56秒

 ユダヤ人家族の仕事場、父親と息子が手を動かしている。
 妻が来客を知らせると、子供はその場を離れる。
 ラジオ放送:
“只今から国家主席ペタン元帥の放送があります フランス国民諸君 外国にいる一部の軍人が私の命令に逆らっている”
 来客は知り合いだったため、ダンボール箱に隠れていた子供が出てくる。
「何しているの」
「隠れるのさ」
“……デマに惑わされてはならない 現実は厳しい 私が要請している秩序を守らなければ――国家が危ないのだ 私が指導を続けるから諸君は従ってほしい”

 小学校の教室での割礼跡のチェック。
 小学校の先生が出征中の夫に手紙を書いている。
 ユダヤ少年の家にナチスが来て連行される。シモンとアンヌと子供も連行される。
 パリ東駅で強制収容所行きの貨車に乗せられる。
 途中の停車駅でシモンとアンヌは子供を貨車から降ろす。
 通りかかった自転車の男がそれを発見して、遠くの教会に子供を捨てる。
 子供をあやす神父の母親と電話で姉に連絡する神父。
この間10分36秒

【42分11秒】

この間 1分17秒

 シモンとアンヌは霧深い収容所へ到着する。カメラは到着した人を出迎えるように右から左に移動する。
 ナレーション:
“抗議も反対もない 足音だけが続いた 見ざる 聞かざる 言わざる 死刑執行人はもちろん犠牲者すら黙っていた”
 収容所の門に入るシモンとアンヌ、それを追ってカメラは左から右へ移動する。やがて男女別に分けられる。
(ナレーションはなく、音楽がかすかに流れている)
この間 1分57秒

 ナレーション:
“その理由は簡単だ 「大きな嘘は目立たない」と言ったヒトラー 彼は大量殺人を「最終的解決」と呼んだ ユダヤ人問題を「解決」したのである ガス室はシャワー室と思わせた 死体焼場は「殺菌室」 収容所の入口には―― 「労働は解放である」と書いてあった 「解放」は死 「愛」は拷問であり――名前は番号に変えられた 最大の欺瞞はこのオーケストラであろう 慰問のためと称してガス室の前でも演奏させた ナチスの学者はひどい理屈をこさえて―― ユダヤ人を悪者にした エジプト脱出以来 逃げ続けているから―― 悪い民族に違いないというのだ 無実なら逃げないって”
44分09秒
50分24秒

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「愛と哀しみのボレロ」